無言及トラックバック、究極の真理を見つけた気がした

いかにして感想系blogは無言及トラックバックを送りあう感想系blogとなっていくのか

 そこで、ライブドアトラックバックの仕様変更の件を比較的大きく扱っていた中谷@ArgoCorseのBlog - livedoor Blog(ブログ)をウォッチしてみることにする。なんだか人の懐をまさぐっているようで気持ちが悪い部分もあるが、web上で公開されているものだし、個人の人格などを傷つけようとする意図はないことをはじめに明記しておく。だから気を悪くしないでほしい。あと、あんまり精密には見てないので、時期には前後があるかもしれないけど、そこもあらかじめご了承を。

創始期

 このblogは2004年10月23日から始まっている。このころは1つの記事の中に日記やアニメ・コミックの感想などがまとめて入れられていた。そして、トラックバックについては、たとえば10月24日の中谷@ArgoCorseのBlog : 図書館とお弁当 - livedoor Blog(ブログ)でこう述べている。

ブログを始めたものの、トラックバックのやり方がいまいち分からない。。。まあこれから少しづつ覚えていきましょうか。

無言及トラックバックを行い、トラックバック返しを受ける

 その後、1つの記事が雑多な感じである状況がしばらく続くが、ある日たまたま「ネギま!」のことをタイトルにした日があった。2005年01月06日の中谷@ArgoCorseのBlog : 「ネギま!」を見ます。 - livedoor Blog(ブログ)である。そこには2つトラックバックがついているが、いずれもアニメの感想であり、このblogに対する言及はない。互いのトラックバックの受信時刻を見る限り、どうやらこのblogからトラックバックを送信したようである。つまり、どこかでそういうトラックバックの状況を見て、その真似をしたのだろう。

現在の形式――1つのアニメ感想は1つの記事に、が定着する

 2005年2月20日、現在の形式にとうとう移行する(中谷@ArgoCorseのBlog : ガンダムSEED Destiny 18話「ローエングリンを討て」 感想 - livedoor Blog(ブログ))。すなわち、1つのアニメ感想は1つの記事にする形である。これにより、無言及トラックバックが来やすい形となり、大幅にトラックバックの数が増えている。たとえばこの記事には11件のトラックバックが来ている。上記と同様に受信時刻からどちらが先に送ったものなのかを調べたところ、その内訳は以下のとおりだった。なお、うち2つのblogはなくなっていたため参照できなかったので、計9個のblogについて調査したことになる*1

 この時期にはまだトラックバック返しを行っていなかったようだが、現在は行っているところをみると、どこかのタイミングで行うようになったのだろう。

トラックバックに関して、このblogの運営者の言葉は

 中谷@ArgoCorseのBlog : アニメ感想blogでのTB文化 - livedoor Blog(ブログ)の本文とそのコメント欄より。

 blogをはじめた時、私はTBについてはまるで無知でした。それでまずは解説サイトを見て回ったり、あるいは自分の記事に自分でTBを張って使い方を学んできたという面が第一段階ですね。

「記事へのリンクなしで、テーマが同じならばTBを送る」という文化は、私は他のブログを見ていてその真似をするところから始めたという感じです。だからこの文化の形成理由は不明ですが、私の時点ではすでにこの文化はあって、私はそれを真似したというだけですね。

どうやら感想系blogは書評系blogとも違うようですね。
えっけんさんのblogのコメント欄で、ともえさんが感想系blogの文化圏の形成について書かれていました。えっけんさんの口調の辛さはいつものことなのでさておき、興味深く読みました。

むだづかいにっき♂:感想系ブロガーは、トラックバックセンターを使え
http://blog.goo.ne.jp/simauma_dx/e/0729c09a22b7b736c27efdcd8e892744
> 言及無し感想TBを (ともえ%感想系ブロガー)
中略
> それが・・2004年10月に「ガンダムSEED DESTINY」が
> はじまってからかな、所謂ブログブーム的な人口増加も
> 合わさって一気に慣習っぽくなっちゃった、つーか。

 本人もおっしゃっているとおり、無言及トラックバックを送る感想系blogの文化を「真似」して今に至っているわけである。そして、コメント欄でえっけん氏のblogのコメント欄が引用されているとおり、(おそらくみんなが「真似」したことにより)「一気に慣習っぽく」なっていったらしい。

 ここから私は、1つの命題を思いついた。

感想系blogが言及トラックバックを渋る/無言及トラックバックを支持する理由

 その理由は「トラックバックは横のつながりを確保するから」というものでも「トラックバックが人気のバロメーターであるから」というものでもない*2。要は、みんながやっているからであり、自分はそれを真似しているだけだからということではないか。今あるシステムを壊したくないだけ、ということではないか。

 これを証明するのは考えるだけでうんざりするけれど、きっとこれが真理なんじゃないかと思う。

 …え? んなこたあとっくに分かってるって? …そしたらごめんなさい。

【1/17追記】http://d.hatena.ne.jp/zonia/20060109/1136791121にて補足しているのでこちらもご参照ください。

*1:けっこう大変でした…。

*2:もしくはそれは建前である。もしくは後付の理由である。