「感想読了&トラックバックリスト」はいかがですか?

 【CODY スピリッツ!:関連仲間文化圏の人間が言及リンクを貼らない理由を考えてみる - livedoor Blog(ブログ)】を読んで、【煩悩是道場 - 関連・仲間なCODYさんは、はてなブックマークを使えば良いのに】にインスパイアされて、いろいろな考え方を知っていただくためにもと思い書き上げるエントリです。CODYさんに提案をするとともに、関連仲間文化圏の方に広く読んでいただきたいと思います。

 なお、長文ですので目次・概要・結論を箇条書きで以下に示しておきます。

  • 書く上での前提:関連仲間文化圏全体ではなく、仲間文化圏のみを念頭に入れて書きます。(参考:【好奇心と怠惰の間 - トラックバック4つの文化圏を6つの文化圏にして考察してみた】)
  • 無言及トラックバックをなくした方がいい理由:心情・文化圏の問題だけではなく、システム的にも問題があります。
  • 落としどころとしての「感想読了&トラックバックリスト」
  • 利点と問題点:仲間文化圏内でのつながりを維持し(時には強め)、各種文化圏の間を縮めることができます。が、スパムもいずれ進化してしまうでしょう。
  • 結論と意見:みんなでより良い方法を考えていきませんか?

 あ、あと一応身元を明かしておくと私は【D.C.な日々】の中の人です。最近忙しいので放置してますが…今月末には復活したいなあ。

書く上での前提

 以前【煩悩是道場 - 無言及トラックバックは、実は有り難い(半分ネタ)】から、「関連仲間文化圏」を「関連文化圏」と「仲間文化圏」に分ける、というアイデアを借用して、4つの文化圏を6つに分けてみました。(【好奇心と怠惰の間 - トラックバック4つの文化圏を6つの文化圏にして考察してみた】)。少なくともアニメの感想書きというのはほぼ「仲間文化圏」の人だと思います。それに、「関連文化圏」というのはどうも半スパム的な気がしてならない*1ので、これから書くことはあくまでも「仲間文化圏」に属する人を対象にしたいと思います。

無言及トラックバックをなくしたほうがいい理由

 文化の衝突や心情という観点では、「文化圏の内部では今までどおりにふるまう。各自でTBポリシーを公表し、文化圏同士で干渉しないように注意する」という方法でとりあえずの解決を見たように思います。しかし、それだけでは解決されない問題があるのです。

 これについては【Diary--/*isaji*/MIDI Lab. | 文化圏の違いを理由にしてもtrackback spamは許されない】で論じられています。

また、これはあまり問題になっていないようなので私の思い過ごしかも知れないのですが、1つのエントリから沢山のトラックバックを送信するということは、それだけ余所へ強制的に被リンクを行えるということでもあり、検索エンジンスパムにもなり得るのは、と危惧しています。rel属性nofollow値で対策出来るかもしれませんが、全てのBlogでトラックバックのアンカーにrel属性が付加されているわけではないので、トラックバックを多く送信するエントリが検索エンジンの上位に表示され、それがノイズとなり検索エンジンの質を低下させる事になるのでは、と。関連仲間文化圏内だけでのトラックバックの送りあいも、もしかしたら他の場所へ迷惑を掛けているのかもしれません。

ここに引用したとおりです。また、Googleページランクシステムにも影響を及ぼすことも考えられます*2検索エンジンスパムになろうと関係ない、という人は少ないと思いますが、多くの人が利用するものである以上、配慮してもいいのではないかと思います。

  • 嫌いなブロガーをスパマーに仕立て上げる事が、誰にでもできてしまう

 こちらは【むだづかいにっき♂:リンク無しトラックバックがダメな、もう一つの理由】で論じられています。

 でもTBって、別に送信元のブログ主じゃなくても、簡単に発信できるんですよね。その方法はココでは書きませんが、同じ方法で「リンク無しTBの送信」が禁止されているサービス利用者でも、リンク無しTBを送信することができるし、TB機能のないサイトからでも、送信だけは行う事ができます。

 「スパマーに仕立てる」ことが実際に行われているのは、僕はまだ見たことがありませんが、例えばヤマダ君(仮名)のブログにTB無し言及しているサイトウ君(仮名)のブログから、ヤマダ君(仮名)の記事に向けてTBを送信する事が、ヤマダ君(仮名)・もしくは全くの他人であるゴンダワラ君(仮名)によっても可能ですし、悪意はなかったにせよ、そうされたケースを、少ないながらも目撃した事があります。
 この場合、受信者へのリンクがあれば、さほど大きな問題にはならないと思いますが(TB送信の意図が無いブロガーに代わって、TBを送信する事の是非は別ですけど)、リンクのない記事から、ゴンダワラ君(仮名)の手によって、大量にTBが発射されたとしたら、多くの人は「ヤマダ君(仮名)はスパマー」という認識をするはずです。
 ほら、これで、嫌いな人を簡単に悪人に仕立てられるのですよ。

これは誰かに迷惑がかかるというものではなくて、むしろ自己防衛のために無言及のトラックバックはやめた方がいい、と言えます。

落としどころとしての「感想読了&トラックバックリスト」

 そこで私は「感想読了&トラックバックリスト」を提案します。以上の問題点だけではやや説得力に欠ける部分もありますが、じつはこれを使うことによって得られる利点も多くあります。

 まず、このリストはこんな感じに使います。最初にトラックバックを送る段階で、以下のリストを書いておきます。リストに掲載する量としては、5〜10が適当なところじゃないでしょうか。

【感想読了&トラックバックリスト】
以下のblogの感想を読みました&トラックバックを送信しました。
D.C.な日々: 魔法少女リリカルなのはA'sまとめ http://christophe.blog14.fc2.com/blog-entry-147.html

 もし感想を読んで思うところがあればコメントを記述してもいいでしょう。タイトルとURLはコピーするのがめんどくさそうですが、じつはFirefoxのCopy URL+のエクステンションを使えば、トラックバックURLをコピーするより簡単にできます*3

 もちろん、何十個、何百個とトラックバックを打てば、それこそリストだけでだいぶスペースを使ってしまうでしょう。しかし、後述するとおり、そもそもそんなに打つ必要はないのです。

利点と問題点

  • 緩やかなつながりを維持したまま、手間を省くことができる

 このリストを使えば、いわゆるトラックバック返しはしなくて済みます。すでにリンクされた状態になるので、自分のところに来たトラックバックは読むだけでいいということです。また、このリストが広まれば、自分もトラックバックをたくさん打つ必要がなくなると思われます。

 そもそも一つのblogや記事にトラックバックを集める必要自体がありません。どこか一つでも(相互に)つながってさえいれば、その記事は誰にでも見られる環境におかれるわけです。だから、一人でがんばってたくさんトラックバックを送る必要はない、ということになり、リストだけで記事が埋まるということもなくなります。同様の理由で、自分がトラックバックを送った後に、別にまわって見たblogには、もしそこにトラックバックが来ているようなら改めて自分からトラックバックする必要はありません*4 *5。来ていないようなら、次回からそこをリストに入れていけばいいでしょう*6

 要するに、感想を互いに紹介しあい、その輪を広めていく、といったスタイルになるわけです。自分のトラックバックの質を高めると同時に、トラックバックをした記事に対する評価も高めることができます。

  • 文化圏間の差をいくぶん縮めることができる

 リストを使うことによって、リンクが一方通行になってしまう現象を防ぐことができます。それにより、リンク文化圏*7の人はある程度許容できるようになるのではないかと思います。

  • 上記に挙げた問題点をいくらか解決できる

 リストを使えばトラックバックを送る量が均一化されるため、「トラックバックを多く送信するエントリが検索エンジンの上位に表示され、それがノイズとなり検索エンジンの質を低下させる」という問題はおきなくなると考えられます。また、リストを使って言及つきトラックバックをするようにすれば成りすましも防ぐことができます。

  • リンクつきスパムが発達してしまうかもしれない

 これはもう時間の問題でしょう。各種blogホスティングサービスでも言及なしのトラックバックははじけるような仕組みを導入し始めていますし、ムーバブルタイプでもそのようなプラグインが流行しています。どちらにしても、リンクつきスパムというのはいずれ来てしまうでしょう。

 蛇足ですが、そのときはきちんとトラックバックの管理をすることをお勧めします。そうしないと、自分のblogに来るトラックバックの質が下がってしまい、誰も見なくなってしまう恐れもありますから。

結論と意見

 結論の前に少し。私は今までのやり方にこだわることなく、より多くの人がハッピーになれるような、より良い方法を模索していきたいと考えています。だから、お互いがお互いを脊髄反射的に「キモチワルイ」と拒否しあうのではなく――何事も否定的に捉えるのではなく――、お互いの価値観や生きてきた世界を考察し、どうすればよくなるのかということを考えていきたいなと思っています。そこで重要なのはできるだけ多くの人に興味や関心を持ってもらうことであり、そのためにも多くの人が話題に取り上げることだとも思います。そしてみんなで考えて、その結果を実行していければいいな、と思います。

 さて、この「感想読了&トラックバックリスト」が広まれば、文化圏同士の壁をいくらか縮めることもできるでしょうし、また仲間文化圏においてもメリットが得られると思います。TBポリシーをはっきりさせて文化圏を干渉しない、というのとあわせて、それなりの解決案になるのでは、と期待しています。

 最後に、これが完成形ではないだろうし、見落としている点もあるかと思います。そのときは、遠慮なく指摘してください。できればさらに対案なんてものがあると議論しやすいと思います。みんなで一緒に、よりよい方法を考えていきませんか?

*1:ここは個人的な感情による部分が大きいので、人によりけりだと思いますが。

*2:もちろんGoogleもその対策をするでしょうが、だからといって放置しておいていいというわけにはならないでしょう。

*3:本家はmozdev.org - copyurlplus: index。でも日本語対応のを本家で出してるのかどうか忘れたので、http://level.s69.xrea.com/mozilla/index.cgi?id=20041002_copyurlplusも参考にあげておきます。まあ、みんながみんなFirefox使ってるわけじゃないけれど。

*4:どこかのリストに載ってるわけですから。してもいいですけどね。

*5:最初にトラックバックを送る段階ではリストやトラックバックのあるblogにも送らないとだめですよ、もちろん。じゃないと自分の記事がいつまでたっても輪に入り込めません。

*6:もちろんそのために削ることも必要になるでしょうが、毎回違うところに送るようにしてれば問題ないでしょう。

*7:参照:【好奇心と怠惰の間 - トラックバック4つの文化圏を6つの文化圏にして考察してみた